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BTA方式深孔加工・・ 偏芯加工、偏芯孔加工

 BTA方式の深孔明け機械は、旋盤の様にワークを回転させて、その端面からカッターを装着したヘッドを送って行き、穴を掘っていくイメージです。この場合ヘッドは、固定しています。ヘッドを回転させる方式の深孔明け機械もあります。詳しくは、こちらのページを参照ください。
ガンドリルは、ワークを固定し切れ刃を送って行き、穴を掘っていきます。これと同じ様にワークが固定で、BTA方式のヘッドを回転しながら穴を掘っていく方式もあります。この場合は、偏芯した位置に径の大きな深穴を明けるのに適しています。写真は、左から右に深穴を明けています。右側に写っているバーは、穴が抜けた時のエンド側をしっかりと押さえてシールしています。
この偏芯加工ができる深孔加工機は、当社の川崎工場と九州工場に各1台設備されています。下の写真は、九州工場で加工した、大径の穴が偏芯で明いている製品です。誤作ではありませんので、念のため。。。。 偏芯加工、偏芯孔加工、偏心深穴加工とも呼ばれています。


偏心穴加工は、左の穴明け方式の1番ヘッド回転方式です。製品が固定されていて、ヘッドが回転して深穴をあけます。ケガキ線でマーキングされた位置に深穴加工を施工します。

チップといってもお金ではなく、切削用です


三菱マテリアルのサイトに「切削工具の出来るまで」が掲載されていました。
どの様に超硬チップが製造されるかの図解がでていました。
BTA方式の深穴加工のヘッドはロウ付けの物もありますがチップを数枚使って穴加工をするタイプがあります。
下のチップは、小型BTA用ヘッドのチップとガイドです。いろんな形がありますね。

下のチップは、旋盤用に使っているものです。チップホルダーにチップをセットして使います。

高さを計る道具とケガキ線


写真はハイトゲージという高さを計る道具です。デジタルの数値を読んで使います。
定盤に載せて使うので、高さを出し、そこの場所にケガキ線を入れる、または平行線を簡単に引く事ができます。
高さの違う2点間の高さの差も出せますよ。
ケガキ線とは加工する時の基準線になります。材料の中心ではなく、偏心した位置へのBTA施工の時に、ケガキ線を引いてBTA加工位置を出す場合があります。
ケガキ線を入れる場所には青ニス(青竹とも呼ばれる)を塗布しておきます。そうすることによってケガキ線が見え易くなります。
単純なケガキ線を引く場合には、下の写真のトースカンという道具を使います。これは、角台トースカンになります。

会社案内の表紙

CoverBroshure
当社の会社案内の表紙を説明します。会社案内の表紙には、深穴明け加工を行っている様々な材質の製品を掲載しました。
写真左上から右に。
最上段:鋼管STKM13A、64チタン、SCM435(通称クロモリ鋼)
2段目:ハステロイ、MCナイロン、アルミA7075
最下段:ステンレスSUS316L、インコネル718、S45Cに貫通小孔。
この他にも、銅合金BeCu、SUS420J2、SS400、SKD61等々多くの鋼種への深穴明け実績があります。
詳しくは、お問合せ下さい。

穴の深さを計る道具


底が平らな止まり穴の深さを計るには「デプスゲージ(通称デプス)」を使います。
写真のデプスの先端が細い方を穴の底に当てて、刀のツバの様な部分を穴の外に当てて計ります。
寸法をみる時は、ノギスの目盛りの読み方と同じです。

また、BTA方式での止まり穴の深穴加工の場合、先端が刃の形状になっていますので、コンベックス(巻き尺)を必要な長さに切ったもので計ります。

ベリリュウム銅ってスゴイですね


ベリリュウム銅は、当社でも深穴明け加工を行っております。日経新聞に左の日本ガイシの広告が掲載されていました。銅に2%程度ベリリウムを加えた合金で強いだけでなく耐食性や優れた導電性があるそうです。
ベリリュウム銅は海底ケーブルの中継器のケースに使われています。下の写真が当社でBTA施工した海底ケーブル中継器の内側に入る小さめのケースになります。日本ガイシ殿では、メインの海底ケーブルのベリリュウム銅製のケースを製造しています。サイズも少し大きくなります。世界中の8,000mの海底に施設されています。海底ケーブル事業で有名なのがNECや富士通づす。『海底8000mで25年動く光中継器,実は“手作り”』とNECを訪問した日経BPの記事に中継器の説明が載っています。富士通ジャーナルにも光海底ケーブルの記載がありました。
インターネットですぐに世界中のニュースや動画・スポーツ観戦ができるのも光海底ケーブルのおかげですね。
『“衛星中継”は今や昔!? 通信は宇宙から海底へ』の見出し。通信速度も携帯が世界規模で5Gへ。いっこく堂さんがやっていた「あれ・・・声が・・・遅れて・・・・聞こえて」も、もう少しすると国際電話が遅れない通信速度にりますね。

深穴明け加工や旋盤加工に名脇役がいます

歌いはしませんが、ハンドラッパーという道具です(笑)。様々な用途に使われます。BTAでも旋盤でも刃が立ちすぎている時に、少しオトシタリします。旋盤などで、あと少しという所で研いだりもします。粗い物は、BTA施工後のバリ取りにも使える便利な道具です。

 

写真は、通常使用しているハンドラッパー工具です。プラスチック素材に砥粒が固着させて付いています。歯ブラシの様な形状ですが、ブラシにあたる部分でコスリます。

非鉄の切粉(キリコ)を見てみましょう


左側が銅、右がアルミの切粉になります。
色からみると、不謹慎ですが10円、1円となりますね。
同じ銅でも酸化物を含まない高純度銅JIS C1020(無酸素銅)、C1011(電子管用無酸素銅)があります。無酸素銅はOFCU(オキシジェン・フリー・カッパー)と表記されます。他の銅合金ではクロム銅、アルミニュウム青銅、ベリリュウム銅などがあります。銅は耐腐食・自己潤滑性に優れます。
アルミもJIS A1050は純アルミニュウム。A5052、A5056等は最も多方面に使われている中強度のAl-Mg系合金。A7076などは超々ジュラルミンとも呼ばれてアルミ合金の中でもトップクラスの強度を持っています。

穴の内径寸法を測定するには(その3)ダイヤル付きノギス


今日は「ダイヤル付きノギス」の紹介です。
写真のノギスは、当社の旋盤のプロフェッショナルが長年使い込んでいるものです。
ダイヤルを見ると100分台まで表示されるので、あとどの位加工したらいいのかなどと判断するのに重宝だそうです。デジタルが多い現代ですが、アナログの役割もちゃんと有ります。
長年大事に使用しているそうです。いつも軍手を付けて使用しているので、ノギスはてもきれいです。やはり、道具を大事にする人は、いい仕事をする人なんだと納得。
モノタロウでミツトヨ製の同じダイヤル付きノギスが売っています。価格は19,000円くらいします。

芯材(コア)を残して深穴加工ができるんです

左の写真は、5M長さのアルミの製品へφ400の中心孔を貫通させてものです。芯材(コア)が残っています。芯材の長さの中間あたりにツバが付いていますので、トンボ加工と言って製品の両端から深穴を明け、中間で穴が貫通しています。
片側から、一気にストレート加工する事も出来ます。
大径の深穴加工ではトレパンヘッドと呼ばれる筒状に孔を明けていく工具が使用されます。このヘッドを使用すると、写真の様に芯材が残ります。これは、トレパニング加工と呼ばれています。