BTA加工|偏芯加工って何ですか?

BTA方式の深孔明け機械は、旋盤の様にワークを回転させて、その端面からカッターを装着したヘッドを送って行き、穴を掘っていくイメージです。この場合ヘッドは、固定しています。ヘッドを回転させる方式の深孔明け機械もあります。詳しくは、こちらのページを参照ください。
ガンドリルは、ワークを固定し切れ刃を送って行き、穴を掘っていきます。これと同じ様にワークが固定で、BTA方式のヘッドを回転しながら穴を掘っていく方式もあります。この場合は、偏芯した位置に径の大きな深穴を明けるのに適しています。写真は、板状の材料の端面から反対面に向けてΦ30mmの深穴を貫通ではなく止め穴で明けています。端面には穴明け位置のケガキ線を入れた時の青ニスがうっすらと残っています。
この偏芯加工ができる深孔加工機は、当社の川崎工場と九州工場に各1台設備されています。下の写真は、九州工場で加工した、大径の穴が偏芯で明いている製品です。誤作ではありませんので、念のため。。。。 偏芯加工、偏芯孔加工、偏心深穴加工とも呼ばれています。

【BTA方式深穴あけ加工の加工方法3パターン】

偏心加工は、左の穴明け方式の1番上の①ヘッド回転方式です。
製品をベッドに固定し、ケガキ線でマーキングを入れた位置にヘッドを回転させて深穴をあけていきます。

様々材質の材料へBTA深穴あけ加工を行っています

MAterialBTA方式の深穴あけ加工では、当社では多種多様な材料に対して、加工させて頂いた実績があります。
通常の一般鋼やSUS316などのステンレス鋼はもちろんのこと、チタン、アルミニューム、窒化鋼、ハステロイ、インコネル、銅、ベリリューム銅、MCナイロン他樹脂製品などの実績があります。また、様々な試作も行わせて頂いております。材料調達から内外削、熱処理そしてホーニングもお引き受けいたします。お気軽にお問合せください。

止め穴加工した製品を上から見てみました

止め穴加工した製品の穴を上から見てみたら、きれいに並んだ芸術品でした。 穴の奥には、止め穴の先端形状が見えます。 止め穴の説明については、寸法は違いますが、下記の内容を参考にして下さい。

       止め穴とは

止め穴は材料を貫通する穴ではなく、途中で穴が止まっている

止め穴は材料を貫通する穴ではなく、材料の途中で穴が止まっているものです。上図はφ100×1,000Lの材料にφ50の止め孔を明ける場合の参考例です。

上段「500L 肩止メ」は、φ50のBTA加工で、刃先の肩までの寸法が500mm深さとなる指定

下段「514L 先端止メ」は、φ50のBTA加工で、先端までの寸法が514mm深さとなる指定

止め孔の場合、肩までの寸法なのか、先端までの寸法なのかを間違えないように指示します。

ヘッド回転式のBTA機械にて長尺クロモリ鋼に深穴明け加工を行う

Φ190 x 4,200Lのクロモリ鋼に
方端面からセンターへΦ17 x 1,200の深穴明け加工を行いました。

ヘッド回転式のBTA加工機械は、偏心孔の加工にも使用されます。川崎工場と九州工場へ設備。

チタン材料の深穴明け加工

チタンのBTA加工は多くの実績があります。チタンGr.5(64チタン)とTB340(純チタン2種)の実績を以下に述べます。

 

 

チタンGr.5(64チタン)
Φ60x320L BTA施工&ホーニング

 

 

 

 

TB340(純チタン2種)
Φ190x800L BTA施工

小径ワークのBTA加工


小型BTA機械での加工後の写真です。
S45C材へΦ55の貫通孔を加工しました。
端面加工と面取りをしている側がプレッシャーヘッドのアタッチメントに装着されて自動で芯が出ます。
反対側は帯を引いていてチャック側。帯をダイヤルゲージを使って芯出ししています。
黒皮製品で数量が多い物でも芯出しを素早く正確に行うことができます。

GE製の超音波厚さ計を使っています

GE製の超音波厚さ計を使用しています。
標準試験片でのキャリブレーション(校正)を使用する前に行います。
左上のプローブ(探触子)を測定したい所に油やグリセリンを塗って密着させて計測します。0.01mmまで計測できます。

BTA加工した孔の同軸度を測定できます。
例えば;
・端面から指定された寸法の所で
・90度ピッチで肉厚測定
最大肉厚-最小肉厚=偏肉度
偏肉度=同軸度 の様にして測定します。

芯ずれ量=同軸度×1/2 となります。

超音波検査の理論を応用して厚さ計を作ったんですね。旧クラウトクレーマーと書いてあったので超音波検査(UT検査)機器の世界的なメーカーの物ですね。

ヘッド回転方式のBTA機械で長尺材料を加工しました

長さ3.3メートルのSCM材料へφ23の貫通孔をトンボで加工しました。
長手中央部での孔の段差は、3本ともに1mm程度。
端面から覗くと、かなり細い三日月が長さ方向の中央部にあるように見えます。
材料固定で、ヘッドが回転するタイプのBTA機械を使用しました。