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技術に関する項目

小径スピンドルのBTA深孔明け加工

スピンドルの深穴明けは、段付きで加工の為、BTA機械に2回通しています。
スピンドルには振れの指定があるので、外削およびBTA施工後に定盤に上げ、ダイヤルゲージで振れを確認してから最終加工へ。


最終加工は、3段で外削、長サも決めて、最終検査へ。
お疲れ様でした。

L1+BTA施工後の熱処理(調質や焼ならし)

L1+BTA後に調質を終えて戻ってきた材料

お客様とお打ち合せを行い、当社で材料調達し、L1およびBTA施工を行った後に、協力会社様にて熱処理(調質や焼ならし)を行ってもらう場合があります。
当社は、複数の熱処理会社様と取引きをしております。また、これらの熱処理会社様から、熱処理前のBTA孔明けを依頼される場合も多々あります。
熱処理後は、さらに孔拡げ・段付きの外削を行ってから、再度熱処理(SR)に行く場合もあります。

深穴明け加工および外削だけでなく、材料調達や熱処理も行いますので、お気軽にお問い合わせ下さい。各工場でお待ちしております。(^_-)-☆

大砲の製造と深穴明け加工

夏期休暇中に大砲のことを調べました。第2次世界大戦の戦艦・大和や武蔵に搭載された大砲は46cm(45口径)3連砲有効射程は20kmとのことから、そのすごさが伺えます。大砲の砲身は芯金鍛造して造られた内筒と外筒、そして中間にワイヤーの層があるヤキバメの3層構造。この製造方法は、発射の衝撃がいかにスゴかったかを現しています。
私が若い頃、実際に大型艦船用の大砲を製造した経験のある定年前方が会社に居たので、興味深くその製造方法を聞いた。40年くらい前に聞いた話ですので、間違っている事もあると思いますが、概要下図のような製造方法です。

現在は、このような大口径の大砲は作られていませんが、各メーカーの大型鍛造技術から大型発電機用のローター製造、また同じ芯金鍛造方法からは、各種発電機用の大型鍛鋼リング材料が製造されています。またもちろん兵器としての大砲は、専用のBTA方式の深穴加工機械で加工されていると思います。

また、現在の大砲は、上記で説明して様な多層構造ではなく、1本(単筒)の材料からできており、射撃回数をカウントして、規定の発射回数で砲身交換をするそうです。
弊社では、大砲などの加工は行っていませんが、BTA方式のカウンター加工で長尺パイプ用の内面加工を行っています。
STKM-13Aシリンダー用鋼管材料の内面孔拡げをしたり、射出成形機の長尺シリンダー内径加工を行っています。

カウンターヘッド

 

カウンターヘッドで孔拡げを行う

 

 

当社広島工場では、大径パイプの内径加工用にボーリング機も設備しています。切削油は、自動で切れ刃部分だけに供給されます。硬度の高い耐熱鋼などの加工もバリバリこなす頼もしい存在です。

【仕様】
・内径:275 ~ 750mm
・長さ:1,200~6,000mm
(トンボ加工で9,500mm)

BTA加工だけでなく外削・開先加工もやります


SFVCの配管継手素材にφ70のBTA貫通を施工しました。
汎用旋盤を使って、今回は、内外削と開先加工を承りました。また、開先加工は、簡単で難しいそうなんです。その様に加工担当者が言っておりました。((+_+))なんのこっちゃい。。。

穴の内径寸法を測定するには(その2)


前回は、シリンダーゲージを使った穴径の測定方法について述べました。
今回は、三点式内側マイクロメータという測定器具を紹介します。
測定する穴径に合ったマイクロメータを使います。写真の物は、ミツトヨ製で穴径50~63mm用の内側マイクロメータです。
穴の明いた基準ブロックで0点を確認してから測定します。
ラチェットを効かせて穴径を数回計り、測定値を出します。測定には熟練が必要との事。
また、シンブルの数値は外測マイクロメータとは、反対向きになりますので注意が必要です。

64チタンのBTA加工

 

64チタンの内外削と丈ヅメ施工です。BTAはφ54貫通孔加工です。穴の表面が少しザラついているのが分かりますでしょうか。内径は、寸法精度は±1.0で施工いたしました。

 
64チタンは、米国のASTM規格では、ASTM B348 Gr5になります。従って、64チタン材料をGr.5と呼ぶこともあります。材料の化学成分でアルミが6%、バナジウムが4%含まれているので64チタンなんだそうです。T-6Al4Vという表記もあります。
機械的性質では、ほぼ一般鋼やステンレスと同じですが、軽い・強い・耐食性に優れる点では一押しです。しかし値段が。。。 従って、航空機エンジン部品・ガスタービン部品、舶用部品等、さらに医療ではインプラントや人工骨に使用されています。驚きですね、用途に夢がありますね。宇宙にも行っていますよ。
当社では、純チタンへのBTA加工も行っています。チタンのBTA施工をされたい方は、ぜひご相談ください

偏芯加工って何ですか?


BTA深穴加工は、上図の様にワーク(加工物)を回転させ、その中心に超硬チップをセットしたボーリングヘッドを右から左に送っていき、穴を掘っていくイメージです。チップでカットされた切粉は、切削油と共に中空のボーリングバー内を通って、油タンクへ戻ります。ワーク回転の場合は、中心孔のBTA加工です。

下の写真の様に、ワーク(加工物)が固定された状態でボーリングヘッドが回転するBTAで穴明けを行うと、偏芯加工が可能になります。下の写真は、切削するヘッドが左から右へ送られて、穴明け加工中です。右のバーは、穴が貫通した時に、油が漏れないように取り付けた金属ブロックを押さえています。

ガンドリルでも偏芯穴の加工ができますが、BTA方式の深穴加工機の場合は、大径の穴も加工可能です。
下の写真は、上のBTA方式深穴加工機で加工した大径の穴です。
 

ホーニングって何ですか?


ホーニング(honing)加工という言葉があります。honeは英語で砥石で研ぐという意味になります。加工物の内径を精密に仕上げるのに必要な加工工程がホーニングです。左の写真がホーニングのヘッドです。砥石が付いた部分を穴の内面に押し付けながら回転し、往復運動させます。円筒状の補冶具により押し付けるのですが、油圧式・機械式・手動式があります。
はめあい公差でH7、H8で穴を仕上げる時などに、BTA加工をしてからホーニングを施工します。
穴の内径がφ60mmの場合、H7の穴のサイズが 60~60.030の範囲(30μ)に入っていなければなりません。当社では、ホーニング前にホーニング下のBTA加工と言って、寸法を 59.7~60.0mm の範囲で施工し、この後で、お客様指定の公差にミートするようにホーニングを施工します。
下の写真はφ60mmのホーニング施工後の製品です。穴の部分を拡大してみると斜めに線が入っている様に見えます。これは、クロスハッチ(綾目)と言って砥石を穴の内面に押し付けながら回転し、縦型のホーニング加工機だと上下の往復運動させるとホーニングの砥石の条痕が綾目になります。
クロスハッチは、油圧シリンダーなどの各種シリンダーの内面で潤滑油を保持するなどの働きがあります。
 孔部の拡大