Φ70mm×4,700mmという長尺の丸棒にΦ23mmの深穴を加工。材料を固定し、ヘッド回転方式のBTA機械で深穴加工を行いました。トンボ(両端から深穴を明ける)で施工。センターの段違いは約0.3mmという好結果でした。
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64チタンのBTA加工
64チタンの内外削と丈ヅメ施工です。BTAはφ54貫通孔加工です。穴の表面が少しザラついているのが分かりますでしょうか。内径は、寸法精度は±1.0で施工いたしました。
64チタンは、米国のASTM規格では、ASTM B348 Gr5になります。従って、64チタン材料をGr.5と呼ぶこともあります。材料の化学成分でアルミが6%、バナジウムが4%含まれているので64チタンなんだそうです。T-6Al4Vという表記もあります。
機械的性質では、ほぼ一般鋼やステンレスと同じですが、軽い・強い・耐食性に優れる点では一押しです。しかし値段が。。。 従って、航空機エンジン部品・ガスタービン部品、舶用部品等、さらに医療ではインプラントや人工骨に使用されています。驚きですね、用途に夢がありますね。宇宙にも行っていますよ。
当社では、純チタンへのBTA加工も行っています。チタンのBTA施工をされたい方は、ぜひご相談ください。
オニ(鬼)ブレって何?
お客様の所を訪問したら、オタクでもオニブレを使っているんですね~。と聞かれました。ブログのメニューから日本高速削孔の説明ページへ行くと、上の写真が掲載されています。よく見ていましたね。黒皮丸棒の中間にボルトで固定されたリングが取り付けられています。これがオニ(鬼)ブレです。オニブレを振れ止めで受けているんです。これで、長尺の黒皮の製品でも、精度の良い深穴加工ができます。
先人の知恵はスゴイです。
BTA加工で明けた穴の内径って、どうやって計るの?
BTAで加工した穴の端面に近い部分は、ノギスでも寸法が計れますが、端から離れた所の寸法はどうやって計るのでしょうか?端面から離れた所の内径は、上の写真のシリンダーゲージで測定します。このシリンダーゲージは、箱に書かれている様に、穴径が160~250mm用です。
写真の右からダイヤルゲージ、握り、外筒、測定子の部位で構成されています。
マイクロメータで測定する内径寸法をセットし、それに測定子の寸法を合わせ、ダイヤルゲージの0(ゼロ)点をセットする。穴を測定し、穴径の寸法変化をダイヤルゲージの目盛りの変化に置き換えて寸法を測ります。
長尺の穴の内径を計るのに、外筒が1M以上のシリンダーゲージもあります。
深穴明けの加工方式とは?
深穴加工方式としては、
①ヘッド回転方式(ワーク固定方式)
非対称な偏芯穴の加工に使われます。ワークが固定で、ヘッドを回転させて深穴加工を行います。この方式では、芯ずれが大きくなりがちです。
②ワーク回転方式
一般的なBTA方式の深穴明け加工機に多く見られるタイプです。ワークを高速に回転させ、ヘッドは固定のまま送り、ワークに食いつかせて深穴加工を行います。
この方式では、芯ずれの値を少なくできます。
③ワークおよびヘッド両回転方式
ワークとヘッドが互いに逆回転する方式で、長尺の棒材に対して同心度の精度が良い深穴加工を行う理想的な方式です。
当社の川崎、広島、九州の3工場では、上記①および②のBTA方式深穴明け機械を所有しております。
深穴加工(ビーテーエー加工)って何ですか?
深穴加工(ビーテーエー加工)とは、その深さと直径の比(L:d)によって定義され、通常10:1より大きい穴の加工が深穴加工と呼ばれています。
深穴明け加工の方式としては、BTAとガンドリルがあります。一般的には、小径の穴はガンドリルで、それ以外の穴加工は一般的にBTA方式の深穴加工が適用されています。深穴明け加工は、アルミニウム、銅合金などから超合金に至るまで様々な材料に使用されています。実際に施工されている一般鋼、クロモリ鋼や窒化鋼では、精度の制限はありますが 40:1 以上の施工実績があります。
BTA施工内容としては、L1加工と呼ばれる公差がラフな前加工と、穴明け後にハメ合い公差を得るためにホーニング施工を行う前処理として行われる深穴加工があります。特に、ホーニング下と呼ばれる深穴明け加工には、精細な穴加工公差、真円度、真直度、同軸度などが求められます。その為に、真直度を向上させ、切削効率をアップした専用のBTAマシンが必要です。BTAマシンの特徴として、高圧の切削油を使用して、切れ刃の潤滑・冷却そして切粉の排出を行って切削効率を助けています。詳しくは、ホームページをご覧ください。
偏芯加工って何ですか?
BTA深穴加工は、上図の様にワーク(加工物)を回転させ、その中心に超硬チップをセットしたボーリングヘッドを右から左に送っていき、穴を掘っていくイメージです。チップでカットされた切粉は、切削油と共に中空のボーリングバー内を通って、油タンクへ戻ります。ワーク回転の場合は、中心孔のBTA加工です。
下の写真の様に、ワーク(加工物)が固定された状態でボーリングヘッドが回転するBTAで穴明けを行うと、偏芯加工が可能になります。下の写真は、切削するヘッドが左から右へ送られて、穴明け加工中です。右のバーは、穴が貫通した時に、油が漏れないように取り付けた金属ブロックを押さえています。
ガンドリルでも偏芯穴の加工ができますが、BTA方式の深穴加工機の場合は、大径の穴も加工可能です。
下の写真は、上のBTA方式深穴加工機で加工した大径の穴です。
ホーニングって何ですか?
ホーニング(honing)加工という言葉があります。honeは英語で砥石で研ぐという意味になります。加工物の内径を精密に仕上げるのに必要な加工工程がホーニングです。左の写真がホーニングのヘッドです。砥石が付いた部分を穴の内面に押し付けながら回転し、往復運動させます。円筒状の補冶具により押し付けるのですが、油圧式・機械式・手動式があります。
はめあい公差でH7、H8で穴を仕上げる時などに、BTA加工をしてからホーニングを施工します。
穴の内径がφ60mmの場合、H7の穴のサイズが 60~60.030の範囲(30μ)に入っていなければなりません。当社では、ホーニング前にホーニング下のBTA加工と言って、寸法を 59.7~60.0mm の範囲で施工し、この後で、お客様指定の公差にミートするようにホーニングを施工します。
下の写真はφ60mmのホーニング施工後の製品です。穴の部分を拡大してみると斜めに線が入っている様に見えます。これは、クロスハッチ(綾目)と言って砥石を穴の内面に押し付けながら回転し、縦型のホーニング加工機だと上下の往復運動させるとホーニングの砥石の条痕が綾目になります。
クロスハッチは、油圧シリンダーなどの各種シリンダーの内面で潤滑油を保持するなどの働きがあります。
孔部の拡大
各工場で加工能力のちがいはありますか?
当社は、本社・川崎工場、広島工場(三次市)、九州工場(北九州市)の3工場で操業しております。
3工場が所有しているBTA方式深穴明け加工機械の大きな加工能力の違いはありません。詳しくは、ホームページを参照してください。
各工場の特徴としては;
川崎工場は、BTA方式深穴明け加工機が8台と、他工場の2倍の台数があります。
広島工場は、加工可能穴径が750mmと一番大きいです。
九州工場は、最大加工径200mmmの偏芯穴加工が可能なBTA機械を所有しています。偏芯穴加工機は川崎工場にも設置してあり、こちらは最大加工径が65mmです。下は偏芯穴加工後の製品写真です。
また、材料持ちでの加工、内外削、ホーニング加工等もお受けいたします。詳しくは、各工場にお問合せ下さい。