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技術に関する項目

丈が短い製品のBTAは、材料の連個取りを計画してください

ノコ切断後のSUS材
一般鋼やステンレス材料で丈の短い素材のBTA加工の依頼がよくあります。
その様な時は、写真の様に数個つないで1本の素材にBTA加工をします。その後でノコ切断します。
欲しい丈寸法にノコ切断代を含んだ素材を1本用意するだけで、写真の様な製品を準備できます。
詳しくは、弊社営業マンにお問い合わせ下さい。
切断後の製品が並んで列を作っているように見えたのでパチリ!

チャッキングのこと


チャッキングのWikioediaには「チャック装置 (チャックそうち、英: chuck) は、工作機械にワーク (加工対象) を固定する工具である。またボール盤にドリルを取り付けるように、切削工具を固定する用途もある。ワークをチャック装置で固定することをチャッキング (chucking)、またはチャックするという。」とあります。3本爪、4本爪、チャッキング方式ではスクロールチャック、インディペンデント(単動)チャック、コレットを使うコレットチャック等々記載されています。
BTAのチャック装置は旋盤と似ています。
上記のBTAチャッキング部の写真は、小型BTA機のチャック部です。
4つ爪の単動タイプのチャック装置となります。
高精度に芯出しを行うことができます。
円形以外の四角形の断面のワークもチャッキングしてBTA加工ができます。
写真で気づくのはチャックの爪と製品の間に銅板が入っています。
これは製品に傷をつけないためなのです。ココが大事なのです。

バー回転方式のBTA機械


写真はバー回転方式のBTA機械(当社機番KB200)のヘッド部とワーク端面です。ちょうどS45Cの止め孔加工を終えてバーを引き戻した所です。
バー回転方式のBTA機械はアキュムレータなどの芯がずれている加工に適していますが、写真の様に素材中心へのBTA加工も問題ありません。
寸法的には、φ130×800Lの素材に対してφ31の深孔加工を行い、肩寸法330mmの止め孔となっています。

マニホールドへの深穴明け加工


S50Cの角材、約400角へのBTA加工済の写真です。
材料固定でBTA機械のヘッドを回転させて深穴明けを行う機械を保有しています。
写真の材料はセンター孔が偏心したマニホールドブロックやプレスの熱板などへの穴明けも可能です。

<偏心加工孔サイズ>
川崎工場: 10~65mm
九州工場: 11.2~200mm

BTAとは何ですか?

「BTA(ビーテーエー)加工」とは、Boring & Trepanning Association の略(ボーリング・トレパン加工)で、金属加工での重要な行程である深穴の切削加工です。切削とバニッシングを同時に行う特殊ヘッドを使い、高速できれいに深穴加工(深孔加工)を行える特徴があります。ドイツで開発された金属加工方法で、大砲やロケットの胴を製造するのに開発されたようです。

日本にBTA方式深穴明け加工が紹介されて50数年。その加工方法は、現在も当時と同じ以下の3種類に大別されます。射出成形機、中空成形機、食品加工機のシリンダーやスクリュー、クランクシャフトの給油用の孔、油圧制御のシリンダーやマニホールドブロック、ラリーカーのショックアブソーバーなど、BTA方式の深穴加工の用途は拡がっています。

深穴加工の中には、より歴史のあるガンドリル方式の穴明け加工があります。重切削や高精度の深穴加工の分野では、ハイスピードで作業能率の良いBTA方式の方が優れています。BTA方式機械の外観、能力、写真などは→コチラを見てください。

ソリッドボーリングヘッド
ソリッドボーリングヘッド

◆ソリッドボーリング加工

一般的な加工方法で、ムクの材料に穴明けする場合に使用されます。孔になる部分の材料は、全て切粉になります。図中では、ボーリングバーの内を通って排出される切粉を小さな短冊で表示しました。

トレパニングヘッド
トレパニングヘッド

◆トレパニング加工

ポレパン加工とも呼ばれています。材料に大径の穴を明ける場合に使用されます。孔の中心部分(芯材)を残して深穴加工をする専用のヘッドが使用されます。

カウンターヘッド
カウンターヘッド

◆カウンターボーリング加工

材料に既に穴が明いている、またはパイプ状の材料の穴拡げ加工に使用します。面粗度や精度が必要な場合にも用いられます。

「振れ止め」って何ですか?


振れ止めとは、長尺材料の深穴明け加工を行う場合、加工される材料の長さの途中を受けるようしたローラーが付いた部品です。
振れ止めを付けることで、同軸度を小さくするような高精度の加工ができます。

材質SACM645、長さ4,100mmのシリンダーのBTA加工の動画です。振れ止めが付いていますね。

小型のBTA機械での深穴明け加工動画

川崎工場のKB-130型BTA機械の深穴明け加工動画です。
今年の5月に旧BTA機械と入れ替え新台となりました。

新しいと操作盤も最新版になり、加工数値のセットも楽になりました。
また加工精度も高くなり、公差が厳しい製品のBTA加工も安心です。
当社の各工場ごとのBTA加工寸法は →コチラで確認できます。

長尺材料のBTAトンボ加工実績


長さ2.6メートルの窒化鋼SACM645へφ24の貫通孔をトンボで施工しました。
長手中央部での孔の段差は、2本ともに0.5mm程度。
材料固定で、ヘッドが回転するタイプのBTA機械を使用しました。