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BTA加工|偏芯加工って何ですか?

BTA方式の深孔明け機械は、旋盤の様にワークを回転させて、その端面からカッターを装着したヘッドを送って行き、穴を掘っていくイメージです。この場合ヘッドは、固定しています。ヘッドを回転させる方式の深孔明け機械もあります。詳しくは、こちらのページを参照ください。
ガンドリルは、ワークを固定し切れ刃を送って行き、穴を掘っていきます。これと同じ様にワークが固定で、BTA方式のヘッドを回転しながら穴を掘っていく方式もあります。この場合は、偏芯した位置に径の大きな深穴を明けるのに適しています。写真は、板状の材料の端面から反対面に向けてΦ30mmの深穴を貫通ではなく止め穴で明けています。端面には穴明け位置のケガキ線を入れた時の青ニスがうっすらと残っています。
この偏芯加工ができる深孔加工機は、当社の川崎工場と九州工場に各1台設備されています。下の写真は、九州工場で加工した、大径の穴が偏芯で明いている製品です。誤作ではありませんので、念のため。。。。 偏芯加工、偏芯孔加工、偏心深穴加工とも呼ばれています。

【BTA方式深穴あけ加工の加工方法3パターン】

偏心加工は、左の穴明け方式の1番上の①ヘッド回転方式です。
製品をベッドに固定し、ケガキ線でマーキングを入れた位置にヘッドを回転させて深穴をあけていきます。

止め穴加工した製品を上から見てみました

止め穴加工した製品の穴を上から見てみたら、きれいに並んだ芸術品でした。 穴の奥には、止め穴の先端形状が見えます。 止め穴の説明については、寸法は違いますが、下記の内容を参考にして下さい。

       止め穴とは

止め穴は材料を貫通する穴ではなく、途中で穴が止まっている

止め穴は材料を貫通する穴ではなく、材料の途中で穴が止まっているものです。上図はφ100×1,000Lの材料にφ50の止め孔を明ける場合の参考例です。

上段「500L 肩止メ」は、φ50のBTA加工で、刃先の肩までの寸法が500mm深さとなる指定

下段「514L 先端止メ」は、φ50のBTA加工で、先端までの寸法が514mm深さとなる指定

止め孔の場合、肩までの寸法なのか、先端までの寸法なのかを間違えないように指示します。

チタン材料の深穴明け加工

チタンのBTA加工は多くの実績があります。チタンGr.5(64チタン)とTB340(純チタン2種)の実績を以下に述べます。

 

 

チタンGr.5(64チタン)
Φ60x320L BTA施工&ホーニング

 

 

 

 

TB340(純チタン2種)
Φ190x800L BTA施工

小径ワークのBTA加工


小型BTA機械での加工後の写真です。
S45C材へΦ55の貫通孔を加工しました。
端面加工と面取りをしている側がプレッシャーヘッドのアタッチメントに装着されて自動で芯が出ます。
反対側は帯を引いていてチャック側。帯をダイヤルゲージを使って芯出ししています。
黒皮製品で数量が多い物でも芯出しを素早く正確に行うことができます。

BTA加工ヘッドの切レ刃


今日はヘッド回転方式のBTA機械の切削現場からお伝えします。
SCM440材料へφ17mm × 1,200mm肩止めの深穴明け加工をおこなっているヘッドです。

写真左は刃がろう付けでヘッドに装着されている従来からあるタイプです。
写真右はカートリッジ式の超硬チップをヘッドの先端にネジ止めするタイプです。
チップ式の方は刃が3段になっており、刃先の抵抗も小さく、切粉も細くなり、ヘッドやボーリングバー内での切粉詰まりも少なくなると思われます。
深穴明け加工の切削回転数と送りは、過去の加工実績を元に、熟練したオペレータが実際の切削を行いながら調整しています。

MCナイロン材料のBTA加工

当社の小型BTA機械で深穴加工中のMCナイロン材料です。
一般鋼材への深穴明け加工を連想するBTA機械ですが、やわらかいMCナイロンへも深穴明けが加工です。
樹脂製品やご検討中の材料でBTA加工を検討されている方、お問い合わせ下さい。

丈が短い製品のBTAは、材料の連個取りを計画してください

ノコ切断後のSUS材
一般鋼やステンレス材料で丈の短い素材のBTA加工の依頼がよくあります。
その様な時は、写真の様に数個つないで1本の素材にBTA加工をします。その後でノコ切断します。
欲しい丈寸法にノコ切断代を含んだ素材を1本用意するだけで、写真の様な製品を準備できます。
詳しくは、弊社営業マンにお問い合わせ下さい。
切断後の製品が並んで列を作っているように見えたのでパチリ!

「振れ止め」って何ですか?


振れ止めとは、長尺材料の深穴明け加工を行う場合、加工される材料の長さの途中を受けるようしたローラーが付いた部品です。
振れ止めを付けることで、同軸度を小さくするような高精度の加工ができます。

材質SACM645、長さ4,100mmのシリンダーのBTA加工の動画です。振れ止めが付いていますね。

長尺材料のBTAトンボ加工実績


長さ2.6メートルの窒化鋼SACM645へφ24の貫通孔をトンボで施工しました。
長手中央部での孔の段差は、2本ともに0.5mm程度。
材料固定で、ヘッドが回転するタイプのBTA機械を使用しました。