当社のBTA加工機械は、今年に新設されたものから創業当時からメンテナンスをして稼働し続けているているものがある。
写真は、小型のBTA機械に2人のオペレータが付いている珍しいシーンだ。右側のオペレータは違うタイプのBTA機械を操作している。
彼は、忙しいスケジュールの合間をぬって、他のオペレータと一緒に作業する事で、双方に新しい気づきや発見が生まれます。また別のBTA機械を操作する多能工へと成長するきっかけにもなるでしょう。
投稿者「ブログ担当者川崎工場」のアーカイブ
STKM鋼管のBTA加工
STKM鋼管の内径をBTA加工しホーニング前の寸法にします。この場合は孔拡げ加工です。
最終的には、内径をホーニングして既定の寸法に仕上げ、シリンダー製品となります。
BTAって何?
BTA加工とは・・ 偏芯加工・偏芯孔加工編
BTA方式の深孔明け機械は、旋盤の様にワークを回転させて、その端面からカッターを装着したヘッドを送って行き、穴を掘っていくイメージです。この場合ヘッドは、固定しています。ヘッドを回転させる方式の深孔明け機械もあります。詳しくは、こちらのページを参照ください。
ガンドリルは、ワークを固定し切れ刃を送って行き、穴を掘っていきます。これと同じ様にワークが固定で、BTA方式のヘッドを回転しながら穴を掘っていく方式もあります。この場合は、偏芯した位置に径の大きな深穴を明けるのに適しています。写真は、角型の異形の材料の端面から反対面に向けてΦ40×300mmの深穴を貫通ではなく止め穴で明けています。
この偏芯加工ができる深孔加工機は、当社の川崎工場と九州工場に各1台設備されています。下の写真は、九州工場で加工した、大径の穴が偏芯で明いている製品です。誤作ではありませんので、念のため。。。。 偏芯加工、偏芯孔加工、偏心深穴加工とも呼ばれています。
偏心穴加工は、左の穴明け方式の1番ヘッド回転方式です。製品が固定されていて、ヘッドが回転して深穴をあけます。ケガキ線でマーキングされた位置に深穴加工を施工します。
長尺の材料へのBTA加工(トンボ加工)
クロモリ鋼Φ60×約3Mの材料にφ44の通し穴。
両端からBTA加工(深孔明け加工)をしています。穴の中を流体が流れますので、わずかな段差は問題ありません。長尺物ですのでBTA加工中は振れ止めで中央を押さえています。
この製品の注文指示は、BTA加工後、両端の穴をセンターとして外周を決まった寸法へ加工する内外削加工でした。
トンボ加工とは、上図の様に、長尺材料の半分くらい迄深穴加工をした後、材料を反転して反対方向からも深穴加工をして深穴を貫通する方法です。当社のHPの加工能力の所で「両端から加工」の意味になります。上記図中でのL1というのは、旋盤荒加工(荒引き)の事です。
この場合、穴が重なる部分に微小な段差ができますので、水や油穴等に向きます。また、精細な加工を行う場合の下穴の用途としても使われます。さらに精細な穴を加工するには、カウンター用のヘッドを使って+0、-0.3mm の様な公差で穴を拡げて仕上げます。
なぜト ン ボと言うのか諸説あるようですが、トンボが空中で急に反転する所から来たようです。歌舞伎の蜻蛉をきるという宙返り(とんぼ返り)からという説も。
トリビアですが、旋盤のバイトは(ドイツ語のノミ、英語の噛むという説も)の様に西洋の言葉では無いようです。
BTA加工って何ですか?
深穴加工(BTA加工)とは
BTAとは、Boring &Trepanning Associationの略(ボーリングとトレパニング加工)で、金属加工での重要な工程である深穴の切削加工です。高速で面粗度の良い深穴加工(深孔加工)を行える特徴があります。
下図の様に、ポンプで加圧された高圧の切削油が加工物に接したプレッシャーヘッド(圧力頭)に送られ、明けられた穴とボーリングバーの間隙を通って刃物に達し、切粉と共にボーリングヘッドとボーリングバー内を通り抜け、切粉受とマグネットフィルターを通過してタンクに戻ります。詳しくは →コチラから
材質:SACM645 4,100mmシリンダーの深穴明け加工(BTA加工)中型のBTA機で加工中の動画
アルミ長尺材のBTA施工
偏芯孔加工
板状の材料の2つの端面からBTAを施工し、直角2方向の2つの穴の先端が交わっています。
軸回転のBTA機械を使えば、材料固定で自由な位置に孔を明けることができます。
油圧のシリンダーブロックなどによく使用されています。
偏芯孔のBTA施工をお考えの方は、お問い合わせください。
BTA施工後にノコ切断しま~す!
トレパニング(トレパン)加工って何ですか?
トレパニング加工後の製品写真
左の写真は実際にトレパニング加工を行った後です。製品はアルミ製。深穴の内径が約300mm x 長さ約5Mのトレパン加工です。大きい径の深穴明け加工を行う場合には、まずトレパニング加工で穴を明け、更にカウンター用のヘッドを使用して孔拡げを行います。両端から深孔加工(トンボ加工)をしているので、中央にツバができています。ツバの先端は鋭利なので、ケガをしない様に注意が必要です。
トレパニング加工は、トレパン加工とも呼ばれ、金属深孔明け加工のひとつです。芯材を残して金属のボーリング加工を行うことができるのが特徴です。深穴明け加工については、こちらを参照ください。
トレパニングヘッドに取り付けられた円周上に並んだチップが、負荷分散をしながら切削を行います。
写真はBotek社のトレパニングヘッドです。